Nextcloud Conference 2018 (3)

今回のNextcloud Conferenceの目玉はNECプラットフォームズ、Nextcloud社、そしてWaffle Computer社(テグレット)との提携に関する発表です。

NEC プラットフォームズはWaffe Cellを搭載したルーターを開発中で、その上でもNextcloudは動作します。ただ重要なのはこのルーターが「量産」され、超分散の世界が実現できる可能性があります。

役割としては

  • NEC プラットフォームズ:ハードウェア、それも世界初のルーターとサーバーが一体化されたもの
  • Waffle Computer:OSにあたるWaffle Cellの提供
  • Nextcloud:Dropbox+Skype+Office 365+アルファの提供

です。

Nextcloud 社のニュースリリースはこちらからご覧いただけます。(英文)

Nextcloud Conference 2018 (2)

さて、前回ご紹介したようにここには全世界からNextcloudの開発に携わっている技術者が集まっています。先ほどエレベーターで一緒になった技術者はベルギーから来ていました。スイスやオーストリア、地元ドイツも各地から参加しています。昨日は米国から来た私に少し似ているある意味「少しいっちゃっている」技術者とも楽しく数時間話をしました。そういえばケニヤや南アフリカからの参加者もいました。

このNextcloud Conferenceの凄いところは、経済的な理由で旅費が出せない場合はNextcloud社が費用の8割まで負担するという点です。そしてランチも無料です!

カフェテリアで食事
カフェテリアで食事

さて、前回書いたようにこの会合は以前カーリチェック氏の事務所にたむろする技術者のために開催することになったというころです。ということで当然、会場の雰囲気はたむろに近いです。

今私の隣にいるドイツ人二人はルールを破ってドイツ語で話をしていますが、公用語は英語に限られています。そしてほぼ全員、このルールを守っています。しかしほとんどは無言で、黙々と開発をしています。

昨日隣に座った技術者はすぐ前に座っていた別の技術者とチャットでコミュニケーションをとっていました。しかし一方、フランス人の技術者はよくしゃべる!彼は技術以外のことも含めて交流が目当てでここに来ているようです。ちなみに彼は非常に重要な新機能をNextcloudに実装し、土日に発表をするようです。

今回私が Nextcloud Conferenceに参加することを決めた理由は彼らがどのような理由で参加し、どのようにここでの時間を過ごすかを知りたかったからです。もちろん他にも理由はたくさんありますが・・・

次回は土曜日に発表される予定の私も関係している重大発表について書きます。

Nextcloud Conference 2018 (1)

Waffle Cell v2 でも簡単にインストールしてすぐに利用できるNextcloudは、Dropbox を凌駕する優れものです。これを使うとブラウザや専用アプリを使い様々なデータを各デバイス(PC、タブレット、スマホ)間で共有できます。さらにテレビ会議などが統合されたことで企業における情報一元管理システムとしての高い能力が証明されています。例えばドイツ連邦政府でも2018年春に採用が決まり、日本でも京都大学がこのNextcloudを全学で利用しています。

自分のデータは自分の管理下に置くという、当たり前のことができるようになるのがこのNextcloudなのです。開発者でNextcloud社のCEOでもあるフランク・カーリチェック氏は

プライバシーは民主主義の根幹である
Privacy is the foundation of democracy

という簡素な言葉でデータの自己管理の重要性を述べています。

データを自己管理することはデータを自分の責任で保管することで、これはすなわち私が取り組んでいるWaffle Cellの分散にほかなりません。2018年の春、このことをカーリチェック氏に伝えたところ、Waffle Cell v2の発表会にわざわざドイツより来日いただき、講演もしていただきました。上の写真はそのときのものです。

さて、このNextcloudはWaffle Cellのユーザーは簡単にインストールしてすぐに使えるようになるだけではありません。無料なのです。なぜ無料なのか・・・それは世界中の優秀なプログラマたちのボランティア精神があるからです。彼らはカーリチェック氏の考えに賛同し、Nextcloud の発展に貢献しています。

カーリチェック氏によれば当初これらのプログラマが彼の事務所に集うようになったのだそうです。そしてその人数がどんどんと増えてきたので、毎年夏にドイツで1週間缶詰になり、オンラインではなく面と向かって問題解決や新規機能の作業に当たっています。この伝統は前身のownCloudから続いているということです。

今年のこの集い、Nextcloud Conference 2018 はベルリンにあるベルリン工科大学・数学科で行われています。この大学は旧西ベルリン地区にあり、3万人弱の学生を抱えていて、ロケットの父、フォン・ブラウン博士や理論物理学で大きな功績を残したヴィグナー博士の出身校でもあります。ちなみにヴィグナー博士は一般にはあまり知られていませんが、評価としてはアインシュタイン博士と変わらぬ頭脳を有する一人ともいわれています。

もう一人有名な人もこの大学を卒業しています。巨大企業シーメンスの創業者のジーメンス氏がその人です。会場となった数学科の前には彼の銅像がたっています。

ジーメンス
ジーメンス

そして会場となっている建物の正面です。

ベルリン工科大学
ベルリン工科大学

そういうわけでこの集いにはアジアから唯一の参加者として私も5日間ここベルリンに滞在中です。

次回は中での様子を中心に報告します。